(4) 1molの塩化ナトリウムの結晶の体積は何cm3か。5.63=176 アボガドロ定数=6.0×1023〔/mol〕
(5) 塩化ナトリウムの結晶の密度は何g/cm3か。Na=23,Cl=35.5
(6) 半径Rの陰イオンと半径rの陽イオン(R>r)が接し,さらに陰イオンどうしも互いに接しているNaCl型構造をつくって
いるとき, r/Rの値はいくらか。また,この結晶が不安定になるのは,この値より小さいときか,大きいときか。
(1) Na+4個,Cl−4個 (2) 6個。接しているNa+とCl−の中心距離なので,左下図の
x なので, x =0.56/2=0.28〔nm〕
(3) 12個。最も近いNa+どうしの距離は,右図の
yなので,y=0.28×1.4=0.392≒0.39〔nm〕
(4) 問題の格子の体積は,一辺が0.56nm(=5.6×10−8cm (1nm=1×10−6o) )なので,体積は
(5.6×10−8)3cm3
この中にNa+とCl−が4個ずつ入っているので,NaCl 4個分の体積となる。NaCl 1mol(=6.0×10−23個)では,
(5.6×10−8)3×6.0×1023/4=26.4≒26〔cm3〕
(5) (4)より,NaCl
1mol(=58.5g)の体積は26.4cm3なので,密度は58.5/26.4=2.21=2.2〔g/cm3〕
(6) 陰イオンと陽イオンが接触し,さらに陰イオンどうしも接触すると,右下図のようになる。これより,
4R=(2R+2r)×√2,r/R=√2−1=1.4−1=0.40。陰イオンが接していない方が安定なので,
陽イオンが大きいほど安定(小さいほど不安定)になる。したがって,r/Rは0.40より小さいと
結晶は不安定になる。
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